日本にはさまざまなECサイトがあり、毎日多くの方がそれぞれの店舗で売買を行っています。
しかし、さらなる収益増加や世界中の人々に自社商品を届けたい場合、「越境EC」を検討するでしょう。
越境ECとはどのようなものなのか、またどのように始めれば良いのかが分からない方は多いのではないでしょうか。
本記事では、越境ECの始め方やメリット・デメリット、成功するためのポイントとあわせて解説します。
越境ECとは?
越境ECとは、インターネットを活用して日本国内から世界各国に向けて商品の売買を行うことを指します。
近年ではインターネットやスマートフォン、パソコンなどの技術が発展したことにより、ECでのビジネスが活発化しています。
国内でも盛んにやり取りが行われている一方、業界やジャンルによってはユーザーの食い合いが発生する可能性があるほどです。
越境ECは日本国内から海外へ商品を販売するビジネスであり、新規顧客の開拓など大きなチャンスをつかめる可能性があります。
経済産業省の調査によると、日本の越境ECの市場規模は下記のように、毎年成長を続けています。
単位:億円
2021年 | 2022年 | 成長率 | |
BtoB | 3,727,073 | 4,202,354 | 112.75% |
BtoC | 206,950 | 227,449 | 109.91% |
CtoC | 22,121 | 23,630 | 106.82% |
こちらの数値は日本のみの数値であり、中国やアメリカなどは日本の何倍もの市場規模に拡大しています。
参考ページ:経済産業省ホームページ「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
(https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831002/20230831002-1.pdf)
越境ECの始め方
大きなビジネスチャンスの可能性がある越境ECを始めたいものの、何から始めれば良いかが分からない方がいらっしゃるでしょう。
こちらでは、越境ECの始め方について解説します。
モール出店
日本国内で越境ECを始める際におすすめの方法が、eBayなど越境ECに対応しているモールへの出店です。
モールを利用する際には海外販売の申請を行い、必要な情報を入力することで出店・出品することができます。
そのため、初めて越境ECを行う方のように、知識が少ない方でも比較的安心して出品できる点がメリットといえます。
eBayの場合、アカウント作成から決済までは下記の流れで進行します。
- アカウントをつくる
- 取引設定・準備
- 出品
- 取引・物品の売買
- 配送
- 決済・評価
当社でもeBay出店に関するサービスを提供しておりますので、ご検討いただけると幸いです。
当社サービスページはこちら
現地法人の設立
越境ECだけではなく、現地でビジネスの開業を検討している企業のなかには、現地法人を設置するところがあります。
しかし、現地法人や支店を設立するためには多くの手続きと初期費用が必要となるため、どの企業でもできるわけではありません。
また、国によって開設条件などが異なるため、複数の国に展開する場合はその分手続きと費用が必要になります。
とはいえ、現地法人を設立することで配送コストを抑えたり、出荷対応が早くなったりする点はメリットといえます。
代行業者の利用
越境ECをご検討中の企業のなかには、自社でECサイトを構築して対応を検討しているところがあると思います。
しかし、サイト構築には多くの時間が必要となるほか、国によって発送条件やインボイスの情報などが異なることがあります。
越境ECの運営代行をしている業者を利用することで、自社は出品するだけでさまざまなサービスを受けることができます。
自社での構築と比べると、開設に必要なコストを削減できるだけではなく、さまざまな言語に対応できる点もメリットといえます。
当社でもeBay出品に関する、下記のような特徴を持つサービスを提供しております。
- CSVによる一括出品で作業効率UP!
- 日本語対応で安心!
- 一括削除・再出品でスピードアップ!
- 大量のデータ管理もラクラク
- テンプレートの再利用で入力の手間なし
累計登録アカウント数は20,000件以上で、eBayツールアワードの受賞や累計出品数は2,000万点以上になります。
越境ECをビジネスに利用するメリット
越境ECをビジネスに利用することで、下記のようなメリットを得ることができます。
海外顧客の獲得による売り上げの拡大につながる
国内のEC市場は、モールや店舗間でユーザーの取り合いが発生することにより価格競争やブランド戦略の負荷がかかります。
一方、越境ECは近年急成長をとげているビジネスではあるため、これからの成長も期待できるでしょう。
海外で新規顧客を獲得することによって、売り上げだけではなく自社ブランドの認知拡大にも貢献します。
日本よりも世界の方が人口は多いため、他国のユーザーを獲得することで高い売り上げを得られるでしょう。
実店舗運営よりハードルが低い
先述の通り、海外に現地法人を設立したり、実店舗を開業したりする際には多くの時間と費用が必要になります。
また、実店舗を運営する際には現地に責任者を派遣する必要があり、市場や物件なども調査しなければなりません。
モールを利用した越境ECを行う場合、現地に実店舗を構えるよりも低コストかつスピーディにビジネスを開業できます。
国内より競合が少ない可能性がある
国内EC市場では、同業他社や競合他店舗が多いことから価格競争やブランド戦略に負担がかかることが多いです。
越境ECは国内と比較すると展開している企業が少ない可能性が高いため、新規顧客の開拓がしやすい特徴があります。
ビジネスを拡大できる
同業他社や競合他店舗が多いことから価格競争やブランド戦略に負担がかかるため、多くの時間や費用を要します。
越境ECは実施していない企業が多いことから、世界各国にビジネスを拡大しやすいメリットがあります。
越境ECをビジネスに利用するデメリット
一方、越境ECをビジネスに利用する際には下記のデメリットに注意しましょう。
輸送コストがかかる
越境ECは国内ECとは異なり、船や飛行機といったさまざまな輸送機を用いて商品を出荷しなければなりません。
また、インボイスの作成などを行わなければならないことから、高額な輸送コストがかかる点には注意が必要です。
販売地域によって特別な対応が必要になることがある
同じ商品を越境ECで販売しても、配送先の国や販売地域によって特別な対応が必要になることがあります。
特に、EU加盟国に対しては審査が厳しいDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)が設けられているため、注意しましょう。
外貨で決済する場合は為替変動のリスクがある
越境ECは国をまたいで商品の売買を行うビジネスである以上、商品価格だけではなく為替にも注意しなければなりません。
同じ商品を売買する際でも、円安・円高によって需要や供給、配送コストなどが変動するため、見ておくべき点が多くなります。
越境ECを成功させるためのポイント
先述のようなメリットがあることから、近年では越境ECを始める企業が多くなりました。
しかし、越境ECを始めた企業すべてが成功しているわけではなく、残念ながら収益が上がらないところもあります。
下記にて、越境ECを成功させるためのポイントをご紹介します。
越境ECに向いた商品を見極める
越境ECで成功しない要因のひとつとして、対象となる国のニーズに合っていない商品を出品していることが挙げられます。
こちらは販売ターゲットを具体化していなかったり、販売国の法律や規制、習慣を理解していなかったりすることが原因です。
越境ECを始める際に、これらを理解しておくことでどのような商品を販売すれば良いか、販売国を理解することができます。
付加価値をアピールする(価格競争では負けるおそれ)
国内ECにおいて、同じ種類の商品でも販売価格が高いにも関わらず、多くファンが付いているようなサービスがあります。
販売国を問わず売れている商品には、顧客のニーズを満たすような何かしらの付加価値が設けられているものです。
越境ECにおいても同様で、「MADE IN JAPAN」のような付加価値をアピールできれば、価格競争にも勝ちやすくなるでしょう。
適切な方法で出店する
先述の通り、越境ECを行う方法のなかにはモール出店や現地法人の設立、代行業者の利用といったものが含まれます。
これらのなかから最適な方法を採用する必要がありますが、多くの企業は時間や費用の観点からモールを利用します。
しかし、モールにはさまざまな種類が含まれていることから、自社にとって最適な方法を選ばなければなりません。
出品管理ツールを活用する(貴社サービス訴求)
本来、越境ECを行う際には出品する商品を1アイテムずつ登録しなければなりません。
出品には多くの時間を要することから、業務効率の改善を目的として出品管理ツールを利用する企業が多くあります。
大量のデータを管理しやすくなることから、越境ECには出品管理ツールは不可欠なものだといえるでしょう。
当社では越境ECモールのひとつである「eBay」に対応した出品管理ツールを提供しております。
プランは月額費用0円のフリープランから用意しておりますので、商品数やサービスの内容によってお選びいただけます。
プランすべてに無料体験をご用意しておりますので、ご興味がある方はお気軽にお試しください。
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おわりに
本記事では、越境ECとはどのようなものなのかについて、始め方やメリット・デメリット、成功のポイントとあわせて解説しました。
越境ECとは、インターネットを活用して日本国内から世界各国に向けて商品の売買を行うことを指します。
始め方についてはモール出店や現地法人の設立、代行業者の利用といったものがありますが、多くの企業はモール出店を選びます。
下記は越境ECを実施することで得られるメリットであり、さまざまな企業が進出する理由にもなっています。
- 海外顧客の獲得による売り上げの拡大につながる
- 実店舗運営よりハードルが低い
- 国内より競合が少ない可能性がある
- ビジネスを拡大できる
一方、越境ECには輸送コストがかかる点や、販売地域によって特別な対応が必要になることがある、外貨で決済する場合は為替変動のリスクがある点に注意しましょう。
国内ビジネスに行き詰まっている企業は、越境ECの実施を検討してはいかがでしょうか。